上司もクライアントも満足させる!新人PMが身につけるべき報告・連絡・相談術

上司やクライアントへの報告って、どのタイミングで、どんな内容を伝えればいいのか迷ってしまって…。

それは大切なポイントですね。報告・連絡・相談、いわゆる『報連相』を適切に行うことで、プロジェクトの進行がスムーズになりますよ。具体的な方法を一緒に見ていきましょう。

Contents

1. 背景と問題提起

プロジェクトマネージャー(PM)としての第一歩を踏み出した新人にとって、上司やクライアントとのコミュニケーションは大きな課題です。特に「報告・連絡・相談(報連相)」のタイミングや方法に悩むことが多いでしょう。適切な報連相を行うことで、信頼関係を築き、プロジェクトを円滑に進めることが可能になります。

2. 報連相の基本

報告

業務の進捗や結果を上司や関係者に伝える行為です。

報告には、定期報告(デイリースタンドアップや週報など)と、臨時報告(トラブル発生時や重要な意思決定前など)があります。報告内容は、「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうした)」を意識して簡潔かつ正確に記述します。加えて、感情的な推測ではなく、事実ベースで伝えることが信頼の礎になります。文書化された報告(メール、議事録、報告書など)は、後からの確認や証拠としても有効です。

定期的な報告は、上司に安心感を与えます。たとえ進捗が芳しくない場合でも、隠さずに正直に報告する姿勢が信頼を生みます。
また、口頭だけでなくメールでの補足も重要です。「結論→理由→詳細」の順で伝えると理解されやすくなります。

連絡

業務に関する情報を関係者に共有することです。

連絡の基本は、「誰に」「何を」「いつ」「どの手段で」伝えるかを明確にすることです。特にプロジェクトでは、仕様変更、スケジュール調整、環境の変化など、日々の細かな変更点がプロジェクト全体の品質や納期に影響を与えるため、スピーディかつ正確な情報共有が不可欠です。
連絡手段は、内容の緊急性と重要性に応じて、口頭、電話、チャット、メール、社内ツールを使い分けることが求められます。

連絡の際は「相手が知りたい情報は何か」を常に意識しましょう
例えば、会議のリスケ連絡なら「いつ変更されたのか」「新しい予定はいつか」「なぜ変更されたのか」を含めること。さらに、関係者全員に漏れなく通知するためにCCを活用したり、チャットツールのスレッドで整理することも大切です。

相談

問題や課題が発生した際に、上司や関係者に意見や助言を求める行為です。

相談は問題が顕在化する前に行うのが理想で、「兆し」の段階で動くことで大きなリスクを未然に防ぐことができます。相談の際は「何に困っているのか」「自分はどう考えているか」「どんな解決策を考えているか」を整理し、具体的な意見を持った上で臨むことが、信頼と主体性を示す鍵になります。
また、相談を通じて上司の経験や視点を得られるため、自身の成長にも繋がります。

相談はタイミングが命です。「迷ったらすぐ相談」が鉄則ですが、ただ丸投げするのではなく、自分なりに考えた選択肢や仮説を用意しましょう。「〇〇という問題があります。A案とB案を考えたのですが、どちらが適切でしょうか?」という形で相談すると、相手もアドバイスしやすくなります。

このように、報連相は単なるコミュニケーションではなく、相手との信頼構築と自分の成長に直結する行動です。

報告・連絡・相談の違いと流れを示す図
報連相の基本構造とそれぞれの目的を理解しよう

3. 新人PMが陥りがちなミス

新人PMがよく陥る失敗は、報連相を怠った結果として起こるものです。以下に、典型的なミスとその背景、対策について詳しく紹介します。

報告の遅れ

  • 典型的な状況:問題が発生しても「自分で何とかできる」と判断し、報告を後回しにしてしまう。
  • 具体的事例:外注先の納期遅れに気づいたが、「様子を見よう」と上司に報告しなかった結果、顧客提出物に間に合わずトラブルに。
  • 対策:報告は「事実ベース」「早め」が原則。進捗が芳しくなくても現状を共有することで、早期にサポートを受けられます。判断に迷った時は「中間報告」で構いません。

連絡の不足

  • 典型的な状況:一部の関係者にだけ情報を共有して、プロジェクト全体での認識齟齬を招く。
  • 具体的事例:仕様変更が発生したが、開発チームにしか伝えず、テストチームが旧仕様でテストを進めてしまい、再テストが必要に。
  • 対策:情報は「誰が知るべきか」を明確にし、チャット+議事録+メールといった複数チャネルを活用して全体に行き渡るようにします。「連絡リスト」や「情報共有チェックリスト」を活用すると良いでしょう。

相談の躊躇

  • 典型的な状況:「聞いたら怒られるかも」「こんなことで聞いていいのか」と遠慮して、相談が遅れる。
  • 具体的事例:新人PMが要件不明点を一人で抱え込んだ結果、仕様漏れが納品後に発覚し、顧客からの信頼を損ねた。
  • 対策:相談は「早期・整理して・具体的に」。悩みの本質を自分なりに言語化し、可能な選択肢を提示した上で相談すること。

これらのミスは、プロジェクト全体に悪影響を及ぼすだけでなく、PMとしての評価にも直結します。ミスを恐れず、率直に情報を伝え、周囲を巻き込む姿勢が、結果として高い信頼につながるのです。

4. 効果的な報連相の実践方法

報告

問題や進捗を早めに伝える。事実と意見を分けて、簡潔に報告する。

  • 具体例:タスクの進捗報告では「A社の仕様書作成は、現時点で80%完了しています。残る部分は承認待ち項目です」と伝える。さらに「承認が遅れる場合、他工程への影響が出る可能性がある」と意見も添える。
  • 実践アドバイス:「結論→理由→詳細」の順番を意識する。Slackやメールでは見出しや箇条書きを使って視認性を高めると効果的。

連絡

関係者全員に必要な情報を漏れなく伝える。メールやチャットなど、適切なツールを活用する。

  • 具体例:会議日時の変更を連絡する際、「〇月〇日15時からの週次会議を、〇月〇日10時に変更します。理由はクライアントの都合です。ご都合のつかない方はご連絡ください」と伝える。
  • 実践アドバイス:「5W1H」で構成し、読み手が一目で内容を把握できるようにする。関係者全員が見られるチャットスレッドや共有カレンダーを活用。

相談

問題が小さいうちに相談する。自分の考えを持った上で、意見を求める。

  • 具体例:「クライアントからの追加要望に対応する場合、納期が1週間延びる見込みです。現時点で、仕様に含めるべきかを迷っています。A案は要望を受け入れて納期を調整、B案は要望を次フェーズに繰り越しです。どちらが適切でしょうか?」
  • 実践アドバイス:相談は「タイミング・整理・選択肢提示」が重要。Slackや1on1の時間を活用し、適宜メモを取りながら進めると信頼度が高まります。

これらを意識することで、報連相が単なる報告行為ではなく、能動的な信頼構築ツールとして機能し、プロジェクト全体の質が向上します。

報連相を実行する際のチェックリスト表
報連相実践時に確認すべきポイント一覧
まとめ

新人PMにとって、報連相は基本中の基本です。適切なタイミングと方法で報連相を行うことで、上司やクライアントとの信頼関係を築き、プロジェクトを成功に導くことができます。日々の業務の中で、報連相を意識的に実践していきましょう。

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