ChatGPTを英語の先生にする!仕様書読解トレーニングのやり方

先輩、仕様書を英語で読むの、いつも時間がかかってしまって…どうやって効率よく読めるようになれますか?

それ、よくある悩みですね。私も最初は苦労しました。でも、ChatGPTを“英語の先生”として使うと、だいぶ読みやすくなりますよ。たとえば英文仕様書の疑問点をそのまま投げて、解説や要約をしてもらうんです。やり方をお伝えしますね。

Contents

はじめに

IT業界では英語の仕様書を読む場面が増えています。特に海外ベンダーのドキュメントやOSS(オープンソースソフトウェア)の仕様は、ほとんどが英語です。しかし、「英語が苦手」「読むのに時間がかかる」と感じているエンジニアは多いのではないでしょうか。

そこで登場するのが、ChatGPTです。AIを“英語の先生”として活用することで、読解力を効率よく高めることができます。

ChatGPTを使った学習フロー

英語仕様書をChatGPTに入力し、要約や語彙解説、Q&Aによる理解を深めるまでの学習フローを示した図
ChatGPTを活用した英語仕様書読解の基本フロー

以下の手順で、英文仕様書の読解トレーニングを行います。初心者の方でもすぐに試せるよう、具体的な操作例を含めて解説します。

  1. 英語仕様書を一文ずつまたは段落ごとにChatGPTに入力
    例:Please summarize the following English text in Japanese: "The server must respond within 500ms to ensure optimal performance."
  2. 「この文章を日本語で要約してください」と依頼
    日本語で「この英文を日本語でわかりやすく要約してください」と入力するだけでもOKです。結果が出たら、自分の理解と合っているか確認しましょう。
  3. 「キーワードとその用例を教えてください」と質問
    例:「”ensure” の意味と、他の文での使い方を教えてください」
  4. 「同じ内容をもっと簡単な英語で書き直してください」と指示
    英語学習が目的であれば、Can you rewrite this sentence in simpler English? のように依頼してみてください。
  5. Why? How? などの質問を使って理解を深める
    例:「なぜ500msが必要なのか?」「どのようにしてそのレスポンスタイムを保証するのか?」など背景や因果関係を尋ねると、理解が深まります。

トレーニングサイクル例

以下は、前述の「ChatGPTを使った学習フロー」を、時間配分も含めて1回の学習セッションに落とし込んだ例です。どのような順序でChatGPTを活用すればよいか、実践の流れをイメージしやすくなります。

  1. Step 1:原文読解&訳(15分)
    対象とする英語仕様書の一文または段落を選び、自力で訳してみましょう。最初は文法が正確でなくても構いません。「何が書かれているか」を大まかに掴むのが目的です。例:The application must authenticate users via OAuth2 before granting access to protected resources.
    訳例:アプリケーションは保護されたリソースにアクセスを許可する前に、OAuth2によってユーザーを認証する必要があります。
  2. Step 2:ChatGPTに要約・用語解説(10分)
    Step 1で訳した英文をChatGPTに入力し、「日本語で要約してください」「”authenticate” の意味と使い方を教えてください」などと質問します。特に理解しにくかった単語や表現を重点的に確認します。例:Please explain what "authenticate" means and how it's used in technical documents.
  3. Step 3:例文作成・Q&A(10分)
    Step 2で学んだ単語や表現を使って、自分で1〜2文の例文を作成してみましょう。その例文をChatGPTに見せて「文法的に正しいか」「より自然な表現にするにはどうすればよいか」を聞いてみます。例:I wrote: "The API authenticate the user." Is this correct? Can you improve it?
  4. Step 4:フィードバック反映&再チェック(5分)
    ChatGPTからのフィードバックを踏まえて、最初に読んだ仕様書の文を再度確認し、今ならどれだけ理解できるかを確認します。可能であれば自分の言葉でまとめ直してみると、より理解が深まります。
ChatGPTに対して英文仕様書を入力し、日本語での要約、語句の意味解説、小学生にもわかる表現への言い換えを出力させた例を示す図
ChatGPTによる英文の要約・語句解説・やさしい表現の出力例

コツ・注意点

  • 一度に長文を入力しすぎない(1文〜1段落が最適)
    → 初心者は1文ずつをおすすめします。例:The API returns a JSON object with user data. といった短い文章から始めましょう。
  • 疑問があれば積極的に「Why…?」「How…?」で深掘り
    → 例:「Why does the API return a JSON object instead of XML?」や「How is the user data structured in the response?」などの質問をすることで、技術的背景も学べます。
  • ChatGPTの回答は“補助輪”ととらえ、必ず自分で考える時間を持つ
    → ChatGPTの回答を読んだ後に「この内容を自分で説明できるか?」と自問することで、理解が定着します。
  • マインドマップなどで構造を可視化するのも有効
    → 「仕様の目的」「主要機能」「前提条件」などを分類し、手書きやツール(例:XMind、miro)で整理すると全体像を把握しやすくなります。

成果の測り方

  • 翻訳にかかる時間の変化を記録
    → 同じボリュームの英文にどれだけ時間がかかるかを定期的に記録し、進歩を可視化します。例:最初の週は「約150語の英文を訳すのに30分」、3週間後に「同じ長さを15分で理解できた」など、数値で効果を確認できます。
  • ChatGPTなしで読める仕様書の量や質を確認
    → ChatGPTを使わずに読んでみて、どの程度理解できるかをチェックし、自分の実力を確認しましょう。
  • ChatGPTとのやりとりが減っていれば理解力が向上している証拠
    → 質問の回数が減り、要約や解釈にかかる時間が短くなっていれば、確実に読解力が上がっています。

英作文と語彙力アップへの応用

ChatGPTの活用は読解力の向上だけにとどまりません。実は、英作文の練習や語彙力の増強にも非常に効果的です。

たとえば、自分で書いた英文をChatGPTにチェックしてもらえば、文法の誤りや不自然な表現を即座に指摘してもらえます。また、「もっと自然な表現にするには?」「ビジネスっぽく書き換えると?」など、文体に応じたアドバイスももらえます。

活用例:

  • Please correct the grammar of this sentence: "The application do login."
  • Can you rewrite this sentence using "authenticate" instead of "login"?
  • Please make this sentence sound more formal and professional.

さらに、仕様書でよく出てくる専門用語や業界特有の言い回しをChatGPTに尋ねて一覧化したり、例文を生成させることも可能です。

語彙強化の例:

  • List 10 common phrasal verbs used in software documentation.
  • Give example sentences using the words "scalable", "robust", and "fallback".
  • What are synonyms for "perform" in a technical context?

これらを繰り返すことで、実務に必要な語彙を重点的に覚えることができ、アウトプット(英作文)の力も自然に伸びていきます。

このように、ChatGPTを多角的に活用することで、「読む」「書く」「覚える」の3つを一体化した英語トレーニングが可能になります。

まとめ

ChatGPTを“講師”として活用することで、英語仕様書の読解力を段階的に高めることができます。要点整理、語彙の理解、簡易英語への変換など、学習効果を高める要素が満載です。

本記事で紹介したステップ(入力・要約・用語確認・簡略化・質問)と、トレーニングサイクル(訳→解説→例文→復習)を日々繰り返すことで、確実にスキルアップが可能です。

「読む力」は一朝一夕では身につきませんが、AIと二人三脚で進めれば、習得スピードは確実に上がります。少しずつでも続けて、英語仕様書に強いエンジニアを目指しましょう!

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