ITエンジニアに英語は必要?現場視点で語るリアルな事情

英語スキルについて気になっているようですね。弊社でもドキュメントやミーティングで英語が出てくることが多いですが、現場ではどの程度使えると良いか知っていますか?

正直、自信がなくて…。翻訳ツールを使えば大丈夫ですか?それとも自力で読めるべきでしょうか?

翻訳ツールは便利ですが、明確に中級レベル(TOEIC600〜800点)くらいの読解力があると、仕様理解やバグ調査のスピードが格段に上がりますよ。

なるほど。海外ライブラリや公式ドキュメントも多いですし、読めたほうが効率良さそうですね!

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なぜ英語が求められるのか【現場リアル】

  • ライブラリやフレームワークの公式ドキュメントはほとんどが英語で提供されています。新機能の追加やセキュリティパッチに関する情報も英語で先行公開されるため、日本語化を待っていては対応が遅れがちです。
  • 海外のQAサイト(Stack OverflowやGitHub Issuesなど)は、国内よりも遥かに情報が充実しており、実際のバグ対応や実装例を探す際に必須の情報源です。
  • SaaSの契約時には、英文ライセンスの確認や海外サポートチームとのコミュニケーションが求められることもあり、正確な読解力とやりとりの英語スキルが現場で必要とされます。

必要な英語力の目安

  • 読み
    • TOEIC600〜800点レベルが目安で、英語の技術文書やAPIリファレンスをスムーズに読解できる力が求められます。単語や構文に慣れておくと、仕様理解のスピードが飛躍的に向上します。
  • 聞き/話し
    • TOEICスピーキング5〜6程度が望ましく、英語での朝会やリモートミーティングで自己紹介・状況報告・質問ができるレベルを指します。実務では、伝えたい内容が簡潔に伝わることが重視されます。
  • 書き
    • GitHubのPull RequestやIssue、Confluenceのドキュメントなどで「簡潔かつ誤解のない英語」を使う場面が多く、文法よりも内容の正確さが重要視されます。

英語力UPのための現場対策

  1. 公式ドキュメントを日常的に読む習慣をつける
    • 毎日1トピック(例:API仕様、FAQ、リリースノート)を選び、10分間だけ集中して読む。Google Chromeの翻訳機能を併用して、原文と訳文を交互に読むことで理解を深める。読み終えたら、1行で日本語に要約する習慣をつけると定着が進む。
  2. 技術英語の例文を写経・音読する
    • GitHubのPull RequestやStack Overflowのベストアンサーから、「実務で使われる表現」を1〜2文抜粋し、ノートに書き写す。書いた文は毎日音読。音声に出すことで構文が体に染み込み、会話にも応用が利くようになる。
  3. 英語ミーティングの聞き取り練習をする
    • YouTubeのGoogle I/OやAWS re:Inventのプレゼン動画を視聴。動画速度を0.75倍にして英語字幕をONにし、最初の1分間の話の主旨をメモする。慣れてきたら再生速度を元に戻して耳を慣らしていく。
  4. 英語チャットでのやりとりを模擬練習
    • ChatGPTを使い、「プルリクへのレビューメッセージ」や「仕様の確認メッセージ」を英語で書いてみる。
      例:「Could you clarify the requirement for X?」や「LGTM! Just a minor suggestion.」など、定型フレーズをテンプレート化すると使いやすい。
  5. オンライン英語学習サービスを活用
    • RareJobのIT専用教材やEigoxでGitHubやAPIについての英語会話を練習するコースを選ぶ。レッスン内容は実務に直結する内容(例:仕様確認、バグ報告、進捗報告)に絞ると、現場で即活用できる力がつく。

      なお、講師の選び方については「ネイティブ」か「ノンネイティブ(例:フィリピン人講師)」かで悩む人も多いようです。筆者の経験では、最初の段階ではノンネイティブの講師の方が親しみやすく、会話のテンポもゆっくりで理解しやすい傾向があります。実際、フィリピン人講師は第二言語として英語を学んできており、学習者のつまずきポイントを理解しているため、丁寧に説明してくれることが多いです。
      一方で、英語の発音やニュアンス、実際の国際会議で使われる表現などに慣れたい場合はネイティブ講師(アメリカ・イギリス出身など)が効果的です。特に中級〜上級者には、ネイティブとの会話が聞き取りの精度やレスポンス力の向上に役立ちます。目的や現在のレベルに応じて、講師を使い分けるのがベストです。

ChatGPTなどのAIツールは、英語の4技能(読む・聞く・書く・話す)をバランス良く鍛えるのに非常に有効です。実際に筆者も以下のように活用しています:

  • 読む:英語のコードレビューコメントやドキュメントをChatGPTに提示し、「この文の意図は何か?」と聞くことで、読解力と構文の理解が深まります。
  • 聞く:ChatGPTと連携できる音声読み上げ機能を使い、英語の文を読ませてシャドーイング練習に利用。発音や抑揚も参考になります。
  • 書く:技術英語でメールやGitHubコメントを書く練習をする際、「この文で自然か?」とChatGPTに相談すると、ネイティブライクな言い回しが学べます。
  • 話す:音声入力でChatGPTに話しかけ、簡単な技術説明や自己紹介の練習をすることで、実際の会話に近い練習ができます。

一人で勉強するだけでは伸ばしづらいスキルも、ChatGPTを使えば、時間や相手を選ばずに実践練習ができます。

実際の効果とメリット

  • バグ調査やエラーメッセージの解析スピードが圧倒的に向上します。例えば、検索ワードを英語で入れるだけで、日本語ではヒットしない詳細な原因や対処法が見つかるケースが増えます。特にGitHub IssuesやRedditの技術フォーラムなどは、一次情報にあたることができ、結果的に作業の効率が大幅に改善されます
  • 海外リポジトリへのコントリビュートも現実的な選択肢となります。英語でIssueを立てたり、Pull Requestを送ることができるようになると、オープンソースのプロジェクトにも貢献できるようになり、GitHubプロフィールの充実や技術的信用の向上にもつながります
  • キャリア選択肢が大きく広がります。英語が使えることで、外資系企業や海外のリモート案件にも挑戦しやすくなり、報酬やプロジェクトのスケールも格段にアップします。実際、英語を習得したことをきっかけに、フルリモートで海外企業と契約しているエンジニアも珍しくありません。
まとめ
  • ITエンジニアにとって、英語は「あると強い武器」
  • 最新ドキュメントやコラボに対応するため、TOEIC600〜800+実践読み・聞き力が目安。
  • 習慣+現場参加で、自然とスキルは伸びていきます。
  • そして何より伝えたいのは、「英語は勉強ではなく、ツールである」ということです。コードを書くように、英語も目的達成のための手段。完璧を目指す必要はなく、まずは「伝える」「理解する」ことから始めてみましょう。
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