【オフショア開発】オフショア開発の“仕様ズレ”問題とその解決策|伝わらない理由と具体的対処法

ベトナムの開発チームに要件を伝えたはずなのに、全然違うものができてきました…。

あー、それはあるあるですね。伝えたつもりでも、実は全然伝わっていなかったってパターン。ベトナムとのオフショア開発では特にコミュニケーションの精度が大事なんです。

そうだったんですね。どうすればもっと伝わりやすくなるんでしょうか?

コツは具体的な指示と細かい確認です。

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はじめに

ベトナムとのオフショア開発でよく起きるのが、「指示が伝わったつもり」という誤解。これは、文化や言語の違いに加え、コミュニケーション方法の違いから起こりがちです。本記事では、この典型的なトラブルとその対策を紹介します。

「伝えたつもり」になってしまう理由

日本では「あうんの呼吸」や暗黙の了解が多いですが、オフショア開発ではこれが通用しません。
特にベトナムの開発チームは、与えられた指示を忠実に実行する傾向があり、「指示が不十分でも、疑問を抱かずそのまま進めてしまう」ことが多いのです。

「伝えたつもり」を防ぐための具体的なテクニック

具体的な指示を出す

  • 例示を活用する
    • 言葉だけでなく、実際のサンプルや画面イメージなど、具体的な例を示すことで、認識のズレを防げます。
  • チェックリストを作成する
    • 必須項目を箇条書きでまとめ、明確にすべきことをリスト化します。ベトナム側にとっても作業内容が明確になり、漏れや誤りを防げます。
    • チェック項目例
      • 要件を明確に文章化したか
      • 画面のイメージやデザインサンプルを添付したか
      • 入力と出力が明確に記載されているか
      • 例外処理やエラー時の対応方法を明記したか
      • データベースやAPIの連携方法を具体的に示したか
      • 完了時の評価基準や確認方法を明確にしたか
  • 図表やフローチャートを利用する
    • 言語だけでは伝わりにくい情報は、図やフローチャートに落とし込んで視覚的に伝えることが有効です。

細かな確認を徹底する

  • 復唱確認を行う
    • ベトナムチームに指示内容を復唱してもらい、相互の理解を確実にします。
  • 定期的な進捗会議を設ける
    • 週1回や週2回の定期的なオンライン会議を設定し、進捗状況や問題点を直接ヒアリングすることで、早期にズレを発見できます。
      また、傾向としてネガティブな報告はこちらが聞くまであげてこないため、筆者も特に最初は毎日朝会を開催していました。
  • 小さなタスク単位での成果物提出を求める
    • 開発工程を細かく区切り、各工程ごとに成果物を確認します。細かな単位でフィードバックを返すことで、大きな手戻りを防げます。
      これは本当に大事です。クライアントに納品してから仕様に対する根本的な認識齟齬をしていたことがわかり大騒ぎになったことがありました。これが少し実装してもらいその結果を見ていれば気づいていたはずでした。朝会や打合せでは顕在化しないことが多いので実際作ったものを見るのが一番仕様を理解しているかの判断材料になります

文化の違いを理解する

ベトナムは上下関係や面子を大切にする文化があります。そのため、理解できなくても「分かりました」と言ってしまうことも少なくありません。チーム内で信頼関係を築き、「分からないことはすぐに質問してもらう」雰囲気を作ることも大切です。
筆者もここは相当苦労しました。仕様の説明をして「分からないところはありませんか」と聞くと絶対「ない」と言います。
その割に実装が遅れている原因を聞くと「仕様がわからなかったから」と普通に答えます。
そのあたりを理解し先に先に手を打つのが必要です。

まとめ

オフショア開発の成功の鍵は、「伝わったつもり」から「確実に伝わった」へコミュニケーションを改善することです。具体的な指示、頻繁な確認、文化理解の三つを意識して、ベトナムとのオフショア開発を円滑に進めたいものです。

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