【オフショア開発】なぜ伝わらない?文化ギャップを乗り越える具体策

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先週、ちゃんと説明したはずなんですが、全然違うものが出てきちゃって…

それは大変でしたね。でも、もしかしたら“伝えたつもり”になっていたのかもしれませんよ

えっ…伝えたと思うんですけど…

言葉だけだと、伝わりきらないことって多いんです。特にオフショアのようなリモート・異文化のやり取りでは、少しの認識ズレが結果に大きく響きますからね

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はじめに

ベトナムとのオフショア開発において、「ちゃんと説明したのに、なぜか全然違うものが仕上がってきた」というトラブルは決して珍しくありません。これは単なる言語の問題ではなく、文化や確認方法、期待値のギャップによるものがほとんどです。
本記事では、コミュニケーションギャップによって発生しやすい問題とその背景、そして実際に筆者が効果を感じた「文化の違いを乗り越える4つの具体策」について解説します。

なぜ伝わらない?その背後にある“文化ギャップ”

ベトナム側のエンジニアは非常に真面目で一生懸命ですが、日本の「察してほしい」文化とは対照的に、明示的な指示や確認を重視する傾向があります。そのため、日本側が感覚で伝えたことがうまく伝わらず、誤解が生まれるのです。

よくある文化的ギャップ:

  • 曖昧な表現や行間が伝わらない
  • 「わかりました」が理解の証拠ではない(YES=好意的な返答)
  • 質問を避ける文化的な遠慮(聞き返すのは失礼という認識)

こうした背景を知らずに「言ったのに」と嘆くのは、構造的なすれ違いを見逃している可能性があります。

例:説明したつもりが通じていなかったケース

あるプロジェクトで、簡単なUI改修をお願いした際、「ボタンの色をブランドガイドに合わせて修正してください」とだけ伝えました。すると、納品された画面にはボタンの色だけでなく形・サイズ・配置まで変更されていました。
原因を確認すると、ベトナム側では「色だけでなく、他も全体的に改善してほしいという意図だと思った」とのこと。日本側の“行間に含めた意図”が、まったく違う形で解釈されてしまったのです。

これは一例にすぎませんが、こうした「伝わらない誤解」はプロジェクトを遅延させ、信頼にも影響を与えかねません。

文化ギャップを乗り越える4つの具体策

対策1:文章+図解で“伝わる”資料をつくる

文書での説明だけでは誤解されやすいポイントも、図を添えることで一気に伝わりやすくなります

  • NotionやGoogle Docsに仕様を明記
  • Figmaやdraw.ioなどで構成図・UIの説明を補足
  • 図には「これは完成形です」「この部分は仮です」など明確に注釈を入れる

視覚的な情報は、言語の壁を超えて共通理解をつくる強力なツールです。

対策2:口頭説明は録画+議事録で二重化する

ZoomやMeetでの会話で仕様共有を終えたつもりでも、相手が正しく記憶していないことはよくあります。
それを避けるため以下を心がけるようにしましょう。

  • 会議は必ず録画する(Google Meetの自動要約機能なども活用)
  • 要点を箇条書きでまとめた議事録を当日中に共有
  • 「言った・聞いてない」を防ぐ証拠としても機能

会話を一度きりの情報にせず、何度でも確認できる「共有資産」に変えることで、ズレを最小化できます。

対策3:「逆確認」を必ず取り入れる

「ここまでの説明内容を、いちどあなたの言葉で説明してもらってもいいですか?」と確認するだけで、相手の理解度をその場で可視化できます

  • 単に「わかりました」ではなく内容を再説明してもらう
  • 相手も自信を持って作業に入れるようになる
  • 「理解したつもり」を防ぎ、教育にもつながる

やや手間に思えるかもしれませんが、逆確認による認識合わせは長期的には非常に効果的です。

対策4:チャットでこまめな確認を仕組み化する

Slackやチャットでの確認は、「確認していい文化」をつくるところから始める必要があります

  • ドキュメントを渡したら「内容確認したらリアクションください」
  • 「ここが不明な場合は遠慮なく聞いてください」と明示
  • 途中で「問題なさそう?」と軽く声をかける仕組みをつくる

質問されるのを待つのではなく、質問しやすい雰囲気を“設計する”ことが、異文化コミュニケーションではとても重要です。

まとめ

ベトナムオフショア開発において「伝えたはずなのに…」というミスコミュニケーションは、文化的な違いに根ざす部分が大きいです。

しかし、その多くは構造でカバーできる問題でもあります。

  • テキスト+図解で情報を明確に
  • 説明は録画・議事録で再確認可能に
  • 理解の逆確認でズレを見える化
  • チャットで確認しやすい文化を育てる

これらの仕組みを整えることで、文化ギャップを乗り越えたプロジェクトマネジメントが実現できます。言語や国境を越えて、「伝わる」チームづくりを目指しましょう。

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